胸やけ
胸やけは、ムカムカしたり焼けつくように感じる症状です。
このような症状が出る原因として、胃酸の逆流や胃の炎症が挙げられます。
日常生活から考えられる原因
食べすぎ飲みすぎ
暴飲暴食や消化しにくいものを多く食べると、大量の胃酸が分泌されます。それが食道へ逆流することで胸やけを引き起こすことがあります。
以下のものは胃酸の分泌を促しやすいです。
- 脂っこいもの
- アルコールやタバコ
- 香辛料
- 炭酸飲料
筋力の低下
食道と胃の境目には、通常は弁があり胃酸の逆流を防ぐ構造となっています。
しかし、加齢や肥満などによって筋肉が弱まると、逆流防止弁が正常に働かずに胃酸が逆流しやすくなってしまいます。
食後の姿勢
食後すぐに横になるなど、胃酸が食道に逆流しやすい姿勢になると胸やけの原因になります。
遅い夕食の場合でも、すぐに就寝するのではなく30分~1時間程度時間を空けてから横になる症状が出にくくなります。
ストレス
胃腸と脳は密接にかかわっていることが近年の研究で明らかになっています。
そのため、ストレスを受け続けると自律神経が乱れてしまい、胃酸が過剰に分泌されることがあります。
ピロリ菌
胃の内部は、胃酸によって強い酸性の状態が保たれており、通常生物は生息できません。
しかし、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を体内から作り出して胃酸を中和し、結果として胃の粘膜が傷つけられることになります。
胸やけを引き起こす病気
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、強い酸性の胃液(胃酸)が食道に逆流してしまい、食道に炎症が起こり胸やけや胸の痛みなど、様々な症状が生じる病気です。
正常であれば、下部食道括約筋が胃の内容物の逆流を防ぐ「逆流防止弁」の役割を担っており、逆流しないようになっています。
しかし、逆流性食道炎の場合は、なんらかの原因でその役割が果たせなくなり、胃酸が逆流した結果食道が傷つけられてしまいます。
慢性胃炎
ピロリ菌に感染していたり、ストレスや乱れた食生活を長期間続けていると慢性胃炎を引き起こしてしまいます。
胃炎を起こした状態では、胃の粘膜が弱まるため炎症が広がりやすくなってしまいます。
以下のような症状が続く場合は慢性胃炎の疑いがあります。
- 突然の胃痛
- 吐き気
- 胸やけ
- 胃もたれ
- お腹が張っている感覚
- げっぷなど
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の炎症が続くと、進行して胃潰瘍や十二指腸潰瘍になってしまいます。
胃潰瘍は胃酸から身体を保護している胃の粘膜が弱まってしまい、胃の壁がけずれてしまった状態です。
日常生活でできる予防
胸やけは主に食生活による胃への負担が原因です。
以下のことを心がけましょう。
- 規則正しい食生活
- 脂っこいを取りすぎない
- お酒やタバコを控える
- 食後1時間は休憩する
また、食生活以外でも以下の点を心がけることで胸やけの発生を抑えることができます。
- お腹を締め付けすぎない
- 就寝時は上半身を高くする
牛乳がのめる方は効果的な事もあります。
慢性的な胸やけでお悩みの際には医療機関を受診しましょう
胸やけが慢性化しているときは、何らかの病気が隠れている場合がありますので、内科、消化器科、胃腸内科の医療機関にて診察及び内視鏡検査を受けましょう。